本日の花婿は、猪苗代高校生の関一稀さん。
花嫁は、同じく猪苗代高校生の後藤あやめさんです。
当時のしきたりに従い挙式いたします。
お二人の門出に町民をあげて祝福してあげたいと存じます。
【一】嫁入り行列
嫁方のお使い(担ぎ手)が、宰領を先頭に箪筍・長持ちを担いでまいります。途中の集落や縁者の家の前では、掛け声がかかりその度に足を止め、長持ち唄を披露します。上手に歌えないと何曲も歌わされました。それは意地悪ではなく、お祝いの一つの儀式でもありました。嫁の家と、婿の家の中間よりも、嫁の家よりに「受け取り渡し」の場所が設定され、婿方のお使い(担ぎ手)に荷が渡されます。
【ニ】受け取り渡し
宰領同士のやりとり会話が、上手に行かないとなかなか荷を渡して貰うことができません。この当りが宰領の才の見せ所となります。これも祝言の大事な儀式の一つです。
無事に長持ちが到着すると、花嫁一行は中宿で休憩し、着替えや化粧直しをします。本宿の前では、料理人と呼ばれる男性が長持ちを迎え、宰領は無事に荷を受け取ってきたことを報告します。箪筍・長持ちは正面を家のなかに向けて収めます。箪筍には水引がかけられ、花嫁は、数日箪筍を開けることができませんでした。
【三】結び
結び(現在の結婚式にあたります)の準備が整うと迎えの者が中宿に花嫁を迎えに行きます。花嫁は玄関から使いの者におぶわれて本宿に入り、台所を回り仏壇に線香をたむけ結びの席に着きます。
結びは嫁方の第1叔父の立ち合いで進み、男蝶・女蝶と呼ばれる子供の酌で盃に酒が注がれます。一つの盃がおわるたびに「謡」が謡われ式が進み、次いで、花婿・花嫁の両親との結びを行います。
【四】振舞い(今回舞台では省略されました)
※写真は2009年開催時のものです
無事、結びが終了すると、振舞い(披露宴)へ入り、婿方がまず謡を唄い、嫁方が謡で受けて振舞いが始まります。「目出度」「松坂」「しょうね節」の順に唄われ、この唄がでないと宴は進行しない定めになっていたようです。特に「しょうね節」は猪苗代特有の節回しで唄われ、さらに座布団1枚の広さの上で、踊らなければならないという面白い風習が残っており、一見の価値があります。「水の物」と呼ばれる果物が配られると振舞いも半ばに入り、「五段のそば」とよばれる蕎麦が振る舞われます。蕎麦は縁起物であなたのそばで、いつまでも長く一緒にいられるようにと願いを込め、蕎麦口上を述べながら客人に勧めます。
【五】半酒盛り(今回舞台では省略されました)
宴も半ばに入ると祝い歌が繰り返されます。花嫁の父の謡「高砂(千秋楽)」がでると振舞いの席は終了となり、見参客から玄如節が唄われ帰途に着きます。相伴の人は客人を送りながら、酒を勧めます。これを「わらじ酒」と申します。
「今によみがえる忘れかけていた…いにしえの記憶」懐かしかった昔の思いでに、
しばし時を忘れることが出来たでしょうか。
これからも、猪苗代に残された文化を保存・継承していくつもりでございます。
どうぞよろしくご支援の程お願い申し上げます。
また前庭では、体験と遊び・物産等いろいろと設営されております。
どうぞお立ち寄り頂き、ご覧いただきたいと存じます。
本日は本当にありがとうございました。